社団法人自由人権協会

喜田村洋一 (きたむら よういち)


 JCLUが創立され60年が経ちました。私が会員になったのは1975年ですから、後半の30年余りを知っていることになります。
 JCLUの姉妹組織であるACLUの会員数は50万人以上とされています。人口と歴史の違いがあるとはいえ、私たちの組織がその千分の一というのは余りに小さすぎます。社会からの認知度という点でも、ACLUが立法、訴訟、など様々な分野で幅広い活動を行い、新聞紙上でもACLUという名称を普通に見かけるのに対し、私たちの活動は残念ながらそれほど認められていません。
 このことは私が事務局長を務めていた10年以上前から指摘されていましたが、現在も同じ問題が指摘されています。会員数を劇的に増やすことができればよいのですが、そんな魔法の杖はありません。したがって、地道な活動を通じて力をつけていくほかないのですが、限りある人員と財政では全ての人権問題に同じ力を注ぐことは出来ません。
 JCLUの特色の一つは、弁護士、学者の数が多いということですから、これを利用するのが、組織として最も効果的な活動になると思います。具体的には、支援事件を増やすということになります。さらにいえば、JCLUとして問題を見出し、訴訟を提起、支援することを積極的に考えたいと思います。ACLUは、「ACLU対司法長官」といった事件を多数提起し、連邦最高裁などで憲法解釈を引き出しています。JCLUがそういった活動を行なうことができれば、「JCLUの十八番の活動領域」とみなされ、他の人権団体や市民の間での認知も高まっていくのではないでしょうか。
 事務局長のときは、2年間という短い期間に協会の業務に習熟し、これを継続するだけで精一杯でした。代表理事となりましたので、もう少し長い目でJCLUの活動を活性化させる方策を考えたいと思います。皆様のご協力をお願いします。

プロフィール


喜田村洋一(きたむら よういち)
1950年東京生まれ。
1975年東京大学法学部卒。1977年弁護士登録(29期)。1981年ミシガン大学ロースクール卒。1983年ニューヨーク州弁護士登録。メディア関係の訴訟を数多く担当する外、刑事事件も取り扱う。
 
主な著書・論文
『報道被害者と報道の自由』(白水社 1999年)
『MEMOがとれない―最高裁に挑んだ男たち』(有斐閣 1991年)
『宣言判決と差止命令』(講座憲法訴訟第3巻所収 有斐閣 1987年)
『最高裁の規則制定権―弁護士法との関連』(現代立憲主義の展開(下)所収 有斐閣 1993年)
『反対尋問はどのように行なうか』(刑事弁護の技術(上)所収 第一法規 1994年)
『裁判の公開』(新刑事手続U所収 悠々社 2002年)




社団法人 自由人権協会

英語サイトへ 社団法人自由人権協会