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人権と反テロリズムを監視する国際機構の必要性に関する共同宣言

2003.10.31


ここに署名した非政府組織は、

全ての国家に人権と基本的自由を尊重・擁護・推進する義務があることを考慮し、

2002年12月18日に採択された国連総会決議57/219や2003年の国連安全保障理事会1456、2003年4月25日に採択された国連人権委員会決議2003/68が、「テロリズムと闘うための政策は各国の国際法上の義務、とりわけ国際人権法や難民法、人道法に合致しなければならない」と確認していることを想起し、

国際法のもと、全ての国家にテロリズムと闘う政策を実施する権利と義務があることを念頭に置きつつ、その実施の際には、そのほかに国際人権法および難民法、法の支配の原則や刑事法を含む国際法によるあらゆる義務を各国が明らかに負っていることを再確認し、 憎むべきテロリズム行為の重大さによっても各国がその国際法上の義務を違反することは正当化されず、またこれらの義務を定めた諸基準は反テロリズム政策と同様、人の安全を保障することを目指したものであることを強調し、

テロリズムとの闘いという名目で多くの国々が人権法や国際人道法、難民法、法の支配の原則や刑事法に明らかに抵触する政策を宣言・実施していることに強く警告し、

司法審査なき行政拘禁や長期の隔離拘禁、送還禁止原則や庇護の原則に背いて拷問を受ける恐れのある者を移送・送還・引き渡し・入国拒否・追放すること、罪刑法定主義に抵触し正当な基本的自由の行使を犯罪化する可能性のある、「テロリズム」や「テロリスト団体」の曖昧な定義、拷問もしくは残虐で非人道的な又は品位を傷つける取り扱い・刑罰や生存権の侵害に対する基本的予防措置の解除、公平な裁判を受ける権利や結社の自由、基本労働権、庇護を受ける権利、被差別の原則を抑圧する措置などのような反テロリズム政策が実施もしくは目論まれていることにより、人権と基本的自由が侵害され、またその恐れがあることを深く憂慮し、

多くの(人権委員会)特別手続きで明らかにされたように、人権活動家や移民、難民、民族もしくは宗教・言語マイノリティに属する者、政治活動家やジャーナリストの権利享受に反テロリズム政策が悪影響を与える結果となっていることにも憂慮し、

国連条約諸機関および人権委員会の特別手続き制度が反テロリズム政策の人権への影響を監視する上で重要な役割を担ったことに希望を得、市民的および政治的権利に関する国際規約第4条に関する人権委員会の一般的勧告第29および、拷問禁止委員会が2001年11月22日に採択した、条約上の義務は逸脱不可能でありいかなる環境においても遵守されなければならないとして各国に向けた声明、人種差別撤廃委員会が採択した人種差別と反テロリズム政策に関する声明、反テロリズムの名目で多くの国々で実施されている、全ての人権に否定的影響を与える政策や法制度に深く憂慮する2003年6月27日付けの特別報告者の共同声明の重要性を強調し、

全ての国が人権諸条約の加盟国とは限らないこと、また報告の周期により時宜にかなった監視が困難となっていることー例えば規約人権委員会は一年に最大15の報告書しか審査できない−により条約委員会の活動は制限され、人権諸条約の監視制度は全世界を対象にできてはいないということを考慮し、

人権委員会により課せられるテーマ別特別手続きによる監視もまた、それぞれのテーマが限定・個別化されているため、やはり大きな限界があるということを考慮し、

人権擁護推進小委員会のテロリズムと人権に関する特別報告者の報告書でなされた分析および、詳細なガイドライン策定のため、反テロリズム政策と国際人権基準の適合性に関して更に調査を行うとした、同小委員会の決議2003/15号に希望を得た一方、現状の小委員会の任務と能力では国別調査を行えないことに留意し、

総会決議57/219号および人権委員会決議2003/68号が、テロリズムに対抗する行動を執る上で各国が推進・擁護すべき人権と基本的自由に関する一般的勧告を、人権高等弁務官事務所に対し発表するよう要請していることを認識し、「安全保障理事会決議1373号第6段落に基づく報告書提出のための指針」や「テロリズム対策にあたっての人権擁護に関する国連及び地域機関の法学(要綱)」など、同事務所は既にそれを実施していることを歓迎し、

人権とテロリズムとの闘いに関する欧州評議会閣僚委員会指針や米州人権委員会のテロリズムと人権に関する報告書など、人権と反テロリズム政策に関して様々な地域的取り組みが行われていることに満足する一方、大多数の国々では地域レベルの監視制度が機能しておらず、各国の反テロリズム政策と、国際的な人権上の義務およびその地域レベルの基準の整合性を監視する制度や手続きを既存の政府間人権システム持っていないことを深く憂慮し、

これまで国連安全保障理事会の反テロリズム委員会(CTC)が人権に基づく分析を行うことを拒否しており、多くの専門家メンバーに人権の専門家を採用しなかったこと、更に総会や人権委員会など、どの国連機関も、この分野において各国が執った政策を審査するという任務を帯びた人権監視制度を設立していないことに失望し、

各国国内の反テロリズム政策、特に2001年の安全保障理事会決議第1373号の履行のための政策と国際基準および人権との整合性を監視する全世界的かつ包括的な国連制度が存在しないこと、人権諸条約執行機関や人権委員会の特別手続きによる監視にはずれが生じていることを深く憂慮し、

  1. 国連全加盟国政府が執行・検討している反テロリズム政策の国際基準および人権上の義務との適合性を監視し、かつ確保するよう支援する国連の機構が緊急に必要であるとの深い確信を表明する。
  2. 国連人権委員会に対し、2004年度60会期において、当該の人権と反テロリズム政策に関する独立した機構を最優先で設置することを呼びかける。
  3. 各国政府が、それぞれのテロリズムに対抗するなかで国際的な人権上の義務を遵守するよう監視し、かつ確保するよう支援することを、その機構の任務とすることを人権委員会に求める。
  4. 総合的な人権アプローチのため、機構は以下のことを行わなければならない。

  5. 各地域の政府間機関、特に現在反テロリズムに努力している機関や、アフリカ連合や東南アジア諸国連合、欧州評議会、欧州連合、アラブ諸国連盟、欧州安全保障・協力機構、米州機構、イスラム諸国会議機構に対し、それぞれの加盟国が実施もしくは検討している反テロリズム政策が国際人権法および国際人道法に合致するよう保障するシステムを確立・強化することを呼びかける。

発起団体

The Coalition of International Non-Governmental Organizations Against Torture (CINAT):
Amnesty International
Association for the Prevention of Torture
International Federation of Action by Christians for the Abolition of Torture
International Commission of Jurists
International Rehabilitation Council for Torture Victims
Redress: Seeking reparation for Torture Survivors
World Organization against Torture (OMCT)
Fédération Internationale des Ligues des Droits de l'Homme (FIDH)
Human Rights Watch
International Service for Human Rights
Friends World Committee for Consultation (Quakers)

注:2004年2月26日自由人権協会も上記声明に署名した。


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