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申入書

2002.11.15


最高裁判所
 長官  町 田  顯 殿

東京都港区愛宕 1-6-7
愛宕山弁護士ビル 306号
社団法人 自由人権協会
代表理事更田義彦
弘中惇一郎
紙谷雅子
田中宏


申入書

当協会は、従前から情報公開法の立法化の実現に向けて取り組み、「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」が立法化されて後は、その積極的活用を図ると共に、昨年は、立法、司法機関についても、国会情報公開法裁判所情報公開法を提案してきました。

そもそも憲法第21条及び国際人権規約第19条第2項は、何人にも情報を収集・受領する権利(知る権利)を保障しており、さらに、高度に情報化された現代社会においては、知る権利は、国と公共団体などの行政分野にかぎらず、立法、司法機関の情報を積極的に求める権利として保障されるべきものであります。

このような知る権利の本質に照らすと、2001年4月に設けられた「最高裁判所の保有する司法行政文書の開示等に関する事務の取扱要綱」(以下「要綱」といいます。)は、その保障においてまだまだ不十分であるといわざるを得ません。なぜなら、この要綱には最高裁判所のなした不開示についての不服の救済手続が定められていないため、実際は最高裁判所秘書課長により不開示とされると、行政機関情報公開法における場合とは異なり、最高裁判所裁判官による審査を受けられず、何人も不開示を争うことができないという不利益を強いられるからです。

たとえば、法廷傍聴などを通じていわゆるロッキード事件の真相究明に関し司法機関が果たした役割を研究してきた当協会会員が、最高裁判所に対し、ロッキード事件において最高裁判所宣明書が出された件に関する4点の司法行政文書の開示を請求したところ、最高裁判所が、それらの大半を不開示とした事例があります。同会員は、この不開示を不服としつつも、それらの文書の開示自体を求める手だてがないため、国家賠償請求訴訟の提起という方法しか採ることができませんでした。

現在、進められている司法制度改革は、その一環として裁判所の情報公開を求めています。最高裁判所秘書課長による不開示について争うことができないという不利益を放置することは、裁判所の情報公開において十分なものとはいえず、司法制度改革の流れに背くものです。

最高裁判所長官におかれては、速やかに当協会の裁判所情報公開法案にのっとった要綱の法制化を求めること又は当面少なくとも第三者機関の諮問を経た上での最高裁判所裁判官による不開示の審査手続を要綱中に定めることにより、司法制度改革審議会の求める司法の情報公開を実効性あるものにしてくださるよう申し入れます。


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