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拷問等禁止条約の選択議定書に関するNGO共同アピール

2002.11.7


日本政府は、1999年6月、「拷問及びその他残虐な、非人道的な又は品 位を傷つける取り扱い又は刑罰を禁止する条約(拷問等禁止条約)」に加 入した。国内外における拷問等の根絶に関心を払ってきた私たち日本の NGOは、拷問等根絶に向けた日本政府の積極的な姿勢を歓迎し、今後の 日本政府の取り組みに強く期待するものである。

本年7月24日、国連経済社会理事会(ニューヨーク)は、拷問等禁止条約 の選択議定書を採択し、これを総会に送付した。

この選択議定書は、ヨーロッパ拷問等防止委員会の査察機能をモデルと して、締約国内の警察拘禁施設、刑事施設、出入国管理施設、精神病院 等の公設のまたは公の管理の下に運営されている拘禁施設について、こ れらを定期的および臨時に訪問し改善の勧告などを行う小委員会を国連の 下に設置し、各国の国内にも同様の査察機能を持った機関を設けることを 定めている。

アメリカ合衆国は、経済社会理事会において、国の主権が侵害されるな どとして、議定書の採択に反対し、ワーキンググループを作ってさらに議論 を継続することを求める修正決議案を提出した。修正案については、EU諸 国などから「採択を先送りするものである」との強い批判がなされた。日本 政府は、自ら起草委員会に参加し原案を提出したにもかかわらず、重要な 内容について合意がない、予算の問題についてもいくつかの国が懸念を抱 いている、などとして、アメリカ合衆国の修正案に賛成の意見を述べた。

結局、修正案は、日本、アメリカ、ロシア、中国、キューバや、イラン、リビ アなどの一部イスラム諸国など、日ごろ人権問題を指摘されることの多い国 の支持を取り付けたのみで、賛成15、反対29(欠席4)の大差で否決され た。

議定書本文についても、日本政府は、アメリカが採択に欠席したにもかか わらず、オーストラリア、中国、キューバ、エジプト、リビア、ナイジェリア、 スーダンとともに反対したが、賛成35、反対8(欠席5)の大差で可決され た。

今後、選択議定書は年内に国連総会での審議にかけられ、賛成多数な ら正式に採択される。その後、20カ国が批准した段階で発効する。

日本政府は、1991年から設置された国連人権委員会作業部会の選択議 定書の起草委員会に代表を派遣し、10年以上にわたって議定書の内容に ついて議論し、検討を重ねてきた。しかし、経済社会理事会における投票 行動にはおよそ一貫性がなく、自立した人権尊重の政策の欠如を疑われ るとともに、国内の拘禁施設における拷問防止の意思がなく、外部査察を 避けようとしているとも疑われかねない、きわめて異常なものであった。

私たちは、日本政府に対し、以下の通り要請する。

  1. 来る国連総会において、日本政府が拷問等禁止条約の選択議定書を 積極的に支持し賛成すること、採択後、直ちに署名をすること。
  2. 日本政府として、早急に必要な国内的調整をおこない、選択議定書を 批准すること。
  3. 拷問等禁止条約の批准に際して、日本政府は第22条の個人通報制度 の受諾を留保した。政府部内において必要な措置をとり、早急にこれの受 諾を宣言すること。

なお、日本政府は、現在にいたるまで条約19条に基づく政府報告書を委 員会に提出していない。この政府報告書の審査は、原則、批准後1年以内 になされることが規定されていることを考えれば、これはきわめて異例な事 態である。われわれは、上記の要請にあわせて、日本政府が、国内外の NGOとの十分な意見交換を行ったうえで、政府報告書を早期に提出するこ とを求めるものである。

以上

2002年11月7日

社団法人 アムネスティ・インターナショナル日本
ARC(Action for the Rights of Children)
特定非営利活動法人 監獄人権センター
再審・えん罪事件全国連絡会
市民外交センター
社団法人 自由人権協会
東京精神医療人権センター
日本国民救援会中央本部
入管問題調査会
反差別国際運動日本委員会


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