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「君が代」ピアノ伴奏の強制に関する声明

2002.3.26



東京都港区愛宕 1-6-7
愛宕山弁護士ビル 306号
社団法人 自由人権協会
代表理事 江橋崇
同  更田義彦
同 弘中惇一郎
同  紙谷雅子

自由人権協会は、特定の政治的立場に立つことなく、あらゆる人々の自由と個人の尊重、とりわけ思想・良心の自由の擁護活動を行うことを目的とする民間の団体として、「『君が代』ピアノ伴奏の強制問題」について、以下のとおり声明する。

現在、卒業式・入学式の季節を迎えて、各地の公立の小学校・中学校・高校などにおいて、卒業式・入学式で音楽専科の教員に対し「君が代」のピアノ伴奏を強制する事例が見られるとの報告に接し、憂慮に堪えない。

1999年に「国旗及び国歌に関する法律」が制定される過程において、同法には、思想・良心の自由を侵害する虞があるとする懸念が指摘されていたが、政府は国旗掲揚や国歌斉唱を強制しないことを明らかにして、個人の思想・良心の自由を尊重することを確約していた。しかし、この法律が成立して以来、従前以上に学校の校長が「業務命令」や「学習指導要領」などを理由として、学校行事に際し音楽専科の教員に対して「君が代」のピアノ伴奏を強制する傾向が強まっていると伝えられている。

「君が代」は、周知のように、その歴史及び歌詞の内容等をめぐり評価が分かれているが、かりそめにも、「君が代」に批判的な特定の立場や思想を反国家的なものとして弾圧したかつての事態を再現するようなことがあってはならない。公立学校において、そのピアノ伴奏を行うことが自らのよって立つ思想・良心と相容れないとして音楽専科の教員が拒否を申し出た場合、その者に対して、それを強制することは、憲法の保障する思想・良心の自由を侵害する重大な疑いがある。

当協会は、国民の国歌に対する姿勢や考え方にも多様な立場がある事実を踏まえ、教育委員会及び公立学校が「君が代」のピアノ伴奏を拒む音楽専科の教員に対し、思想・良心の自由の保障の見地から代わりの伴奏者を別に用意するなどの手段を講じて、ピアノ伴奏を強制することなく、慎重な対応をとられることを強く要請する。

以上のとおり声明する。


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