
2001.11.27
日本政府は1985年に国連の女性差別撤廃条約を留保なく批准し、男女雇用機会均等法の制定など国内法の整備がなされました。当協会は、同条約の批准前から条約の広報・普及に努めてきましたが、1999年には同条約採択20周年を記念して連続講座を企画し、多くの市民の参加を得ました。また当協会は、女性差別事件の当事者や代理人として、同条約を法廷で活かすことに尽力している会員を多数擁しております。
条約上、女性差別撤廃委員会(CEDAW)委員は「徳望が高く、かつ、この条約が対象とする分野において十分な能力を有する専門家」であることが要件とされ、締約国の国民から1名を指名し、投票により選挙されると規定されています。CEDAW委員は政府の代表または代理ではなく、個人の資格として関与する専門家であることは、国連のホームページにも明記されています(expert committee members serving in their personal capacity という説明が付されています)。
当協会は、現委員の多谷千香子検事が、昨年、旧ユーゴ法廷判事として任命されたことは、日本の法律家が国際人権・人道法へ貢献する道を開いたこととして大変喜ばしいと考えますが、同氏の後任としてどなたがCEDAW委員に就任するのかについても、以下の理由により、大変深い関心を持っております。第1に、女性差別撤廃条約には新たに個人通報を定めた選択議定書が採択されました。人権団体・市民団体は、日本政府が早期に選択議定書を批准することを期待しており、日本選出の委員がCEDAWでこの問題にどのように取り組んでいくのかを注目しております。第2に、CEDAWが前回(1994年)の日本政府報告書審議で出した最終見解は、日本の女性差別の現状について多くの示唆を含み、日本政府に状況の改善を促しています。人権感覚にすぐれ、自国の政府の方針に拘束されず、独立した見識を持った専門家を日本からCEDAWに送り出すことは、それ自体で日本の国際的な人的貢献であると考えます。
以上のような事実認識に基づき、次のことをお尋ねします。
以上の諸点について、2001年12月5日までに、書面でご回答下さるようお願い致します。ご回答のあて先は下記にお願いします。
なお本質問書は、英訳の上、CEDAWに写しを送付します。ご回答についても、英訳の上、次回の日本政府報告書審査におけるNGOレポートに記載する予定であることを付記します。