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自衛隊法改正法案の防衛秘密保護規定に反対する声明

2001.10.26




2001 年10 月 26 日

東京都港区愛宕 1-6-7
愛宕山弁護士ビル 306号
社団法人 自由人権協会
代表理事 江橋崇
同  更田義彦
同 弘中惇一郎
同  紙谷雅子

自衛隊法改正法案の防衛秘密保護規定に反対する声明

  1. 政府は、10月5日、テロ対策特別措置法案(略称)とともに自衛隊法の一部を改正する法律案(以下「改正案」という)を国会に提出した。改正案は、自衛隊の部隊等による警護出動の制度の新設などとともに、第96条の2及び第122条の新設により、防衛秘密保護規定を導入しようとするものであるが、この防衛秘密保護規定は、テロ対策特別措置法案の影で、さしたる審議もなく、10月18日、衆議院本会議を通過し、参議院での審議に至っている。
  2. しかし、改正案には、その内容につき重要な問題点が含まれている。特に、防衛秘密保護規定には、次のような看過できない問題点がある。
    1. 防衛秘密の範囲は、著しく包括的であり広義である。特に、自衛隊についての別表第4に掲げる事項は、自衛隊の運用や防衛力の整備に関する見積もり、計画もしくは研究をも含むものであり、極めて広範である。いわゆる「三矢研究」類似の研究は今後は暴露すると防衛秘密保護規定違反とされることは明らかである。この点において、防衛秘密保護規定は、1985年に国会に提出されたものの、廃案となった国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案(いわゆる国家秘密法案)とその主要な部分で重なり合っている。
    2. 過失犯処罰規定まであることと、身分なき者にも「共謀」「教唆」さらに「煽動」まで定められていることは、報道その他の市民の行動までが処罰されることになり、自由な情報の流通を阻害するもので、国家秘密法案と同様の重大な問題を含んでいる。
    しかも、国家秘密法案でさえも、「適用に当たっては拡張解釈して国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならない」旨の規定があったのに、防衛秘密保護規定では、そのような歯止めすら規定されていない。
  3. 当協会は、上記国家秘密法案に反対したが、今回提出された防衛秘密法案も、これと同様に国民の知る権利、言論・報道・出版の自由に対する重大な侵害のおそれを含むものであり、また、罰刑法定主義の原則にも相容れないものである。
  4. よって当協会は、第96条の2及び第122条の防衛秘密保護規定と罰則の新設に強く反対し、国会に対し、改正案の審議にあたっては、知る権利の保障、言論・報道・出版の自由を保障する日本国憲法の理念にてらし、慎重に審議されることを強く求めるものである。

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