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「市民的及び政治的権
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最終見解33は、第一選択議定書の批准を明示的に勧告している。しかし、こ の間、批准に向けた具体的進展はうかがわれない。先回報告書の審査の際、バグ ワティ委員、シャイニン委員は相当詳細かつ具体的に個人通報制度について仕組 みや運用の実態を説明し、これが日本の司法の独立を侵害する懸念のないことを 指摘した。これに対し、政府側も「司法の独立を侵すと断言しているわけではな い。司法制度との関連で問題がありうるので、検討している」旨回答した。そこ で、今回の報告書では、日本の懸念する問題点を具体的に明らかにし、多くの先 進国、日本と同様の法制度を採る国々で採用できた制度を日本が受け入れがたい 障害を示す必要がある。
最終見解8は「公共の福祉」の概念による権利の制限への懸念、同11は「合 理的な差別」という客観的な基準のない概念の問題性が指摘されている。これら の議論は、第三回政府報告の審査でも取り上げられたものであり、今回の報告書 では委員会の懸念に対応して改善のための措置と障害について具体的な情報の記 載が必要である。
最終見解12は、「婚外子に対する差別、とりわけ、国籍、戸籍と相続権の問 題」に関して懸念を表明し、「民法900条4号を含む法制度を改正するための 必要な措置を取ること」を勧告した。同様の勧告は、1993年の第3回政府報 告書審査においても行われている。また、社会的及び文化的権利に関する委員会 の最終見解、子どもの権利に関する委員会の最終見解でも、これらの点に勧告を 受けている。しかし、これまで、日本政府は法改正の措置も、国会の提案の措置 も取っていない。婚外子の相続分の差別是正を含む民法改正案は、国会で一部の 政党から提案されているものの、主要な与党の反対もあり、通過していない。最 高裁判所においては、最終見解の採択後においても、婚外子に対する相続分の差 別が憲法や規約に違反するものではないとする判決を行っている。このように国 際的には規約違反の明らかな法規定の改正が日本で進まない状況は、きわめて特 異な印象を与えるものと考えるので、今回の報告書では法改正のために政府がとっ た具体的な措置と克服すべき障害を記載すべきである。
最終見解13は、日本国民でない在日コリアンの少数者の人達に対する、韓国 ・朝鮮学校が承認されないことを含む、差別の事例について懸念を表明し、規約 27条の下での保護は市民権を有する者に限定されないという点を強調する一般 的意見23(1994)について注意を喚起した。また、経済的、社会的及び文 化的権利に関する委員会の最終見解でも少数者の学校が国の教育カリキュラムに 適合している場合には正式に認定して補助金その他の財務援助を行うほか大学入 試の受験資格を認めるよう勧告を受け、さらに人種差別撤廃委員会の最終見解で もマイノリティ(朝鮮人を含む)の差別的取扱いを撤廃し適切な措置とるよう勧 告された。しかし、地方分権一括法によって学校の認可が都道府県の自治事務と なったため朝鮮人学校に各種学校としての地位を与えないとした文部事務次官通 達は廃止されたもののその後の各地の朝鮮学校の扱いは明確ではなく、従前と同 様、卒業生に高校卒業資格が与えられていない。この中で、国立大学であるる京 都大学の大学院では朝鮮学校の卒業生の高校卒業資格を認めたが、政府はこれを 京都大学独自の判断としており、卒業生の資格、地位が不安定であることは変わ りがない。よって、日本政府は、状況を改善するため具体的な措置及び克服すべ き障害を、報告書に具体的に記載すべきである。
最終見解16は、国内法に、民法規定の女性の6ヶ月間の再婚禁止期間、婚姻 年齢の男女差など女性に対する差別的な法規が残っていることに懸念を表明し、 女性を差別する全ての法規定の廃止を求めた。この間、法制審議会が、待婚期間 の短縮と婚姻年齢の男女統一を答申したものの、法案の国会提出には至っていな い。国会で一部の政党から提案された同様の法案も通過していない。日本の女性 差別の状況については、経済的、社会的及び文化的権利に関する委員会や人種差 別撤廃委員会からも、懸念や勧告の表明があり、今回の報告書では最終見解にお いて懸念された状況を改善するため具体的な措置及び克服すべき障害を具体的に 記載すべきである。
最終見解18は出入国管理および難民認定法の規定上法務省の裁量によって再 入国許可を得た外国人だけが在住権を失うことなく国を離れて、帰国することが できることを問題とし、この規定が、在日第二世代、第三世代の生活活動が日本 を基盤としている外国人の国を離れ、帰国する権利を奪う可能性を指摘し、日本 で生まれた韓国・朝鮮人のような永住者については、再入国のために事前に許可 を取得する必要性を取り除くことを強く要請している。しかし、この間に何らの 法改正措置は行われず、政府は、引き続き再入国のために事前に許可を取得する 義務を課している。今回の報告書では、このような取り扱いが改善できないまま 続く原因を明らかにするとともに、懸念された状況を改善するため具体的な措置 及び克服すべき障害を具体的に記載すべきである。
最終見解19は、入国管理に係る手続中に収容されている人達への暴行や性的 嫌がらせの訴えについて懸念し改善を行うことを勧告している。
これに対し、日本政府は、一部、収容施設や収容状況の改善を行っているが、 その改善の措置の具体的内容と効果、入国管理の収容施設に関わる訴訟や刑事事 件の状況を、委員会に報告すべきである。また、日本政府は、入国管理の収容に 関わる被収容者の不服申立に関する制度の検討状況、他方で検討されている人権 救済機関におけるかかる不服申立の救済の可能性について、報告を行うべきであ る。
最終見解20は、最終的な死刑廃止を求めつつ、それまでの間、死刑を重大な 犯罪に限定するべきことを勧告している。しかし、この間勧告実現の動きはなく、 実態は被害感情の重視などを根拠にむしろ厳罰化の方向に傾いている。最終見解 7は、人権保障と人権の基準は世論調査によって決定されるものではないことを 強調し、現状の正当化のために世論調査を引用することに懸念を示している。今 回の報告書の作成にあたっては、法定刑に死刑を含む犯罪を限定する方向への具 体的な取組み、進展を妨げる要因、障害を具体的に明らかにするべきである。
最終見解9,10は、「政府から独立した実効性のある国内人権機関」の設立 を勧告した。その後、政府の人権擁護推進審議会は国内人権機関の設立を求める 答申をなした。このような機関の必要性を政府が認めたものとして評価できるが、 他方、答申に言う機関は、実務を担当する事務局の独立性を含む政府からの独立 性の確保、報道機関の取材の自由の侵害の危険性などに問題を残している。今回 の報告書の作成にあたっては、このような国内での政府の取組みに対するNGO などの問題点、危惧の指摘の事実とこれに対する政府の姿勢、今後の方針をも記 載すべきである。
最終見解は、刑事司法に関連し、22で起訴前勾留制度の改革を強く勧告し、 23で代用監獄制度を規約の基準を満たすものにするよう求め、26で検察官手 持ち証拠への弁護人の全面的なアクセスの保障を勧告した。この間、政府の司法 制度改革審議会の答申中に被疑者段階の国選弁護制度の導入の方向が示され、委 員会に言う全面開示ではなく個別開示が前提ではあるが証拠開示の必要性が認め られ、この点での前進は見られるものの、具体化の道筋は明らかではない。また、 他の諸点には進展がない。代用監獄制度、証拠開示に関する問題点は、これまで の報告書審査で相当の議論が委員会と政府代表との間でなされ明らかになってお り、今回の報告書では、委員の疑念質問に対応して、その後の取組み、進展を妨 げる要因を報告するべきである。
最終見解21は、死刑囚の処遇について、同27は、受刑者一般の処遇につい て、きわめて具体的な問題点を指摘し、改善を求めている。これまでの間、指摘 された点の一つである革手錠の使用が著しく減少し、刑務所内の規則運用が相当 程度緩和され、これらの点は積極的側面として評価できるが、他方、死刑囚の処 遇には目立った改善はなく、厳正独居拘禁と懲罰制度の問題点については、さら に多くの改善の必要が残っている。今回の報告書では、改善面とともに残された 問題について改善のためになした措置と障害について具体的な記載が必要である。