
公安委員会の情報公開を求める意見書
2000.04.25
内閣総理大臣
警察刷新会議座長
国家公安委員会委員長兼自治大臣
警察庁長官
全国都道府県知事
全国都道府県公安委員会委員長
各政党会派代表 各位
2000 年 4 月 25 日
社団法人 自由人権協会
代表理事 内田剛弘
同 金城清子
同 江橋崇
同 更田義彦
意見
都道府県公安委員会を都道府県情報公開条例の対象機関とし, これを前提として, 公安委員会に対する情報公開請求に対し公安委員会が非公開処分をしたために不服申立てがなされたときは, 当該不服申立てを情報公開審査会に諮問することができるよう, 速やかに情報公開条例を改正し, かつ昭和 33 年 12 月 8 日新潟県総務部長あて自治省行政課長回答の適用除外を明らかにすべきである。
理由
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これまで, 地方公共団体の情報公開条例においては, 公安委員会, 警視庁・道府県警察本部は対象機関から除外されていたが, これには合理的理由がない。都道府県ですべて情報公開条例が制度化されているし, 国家公安委員会と警察庁についても, 情報公開法 2 条がこれらを「行政機関」とすることによって, 同法の対象機関としているからである。しかも, 同法 41 条は, 地方公共団体に対して,「この法律の趣旨にのっとり」情報公開条例を制定又は改正することを努力義務としている。すなわち, 国家公安委員会と警察庁を対象機関としている情報公開法の「趣旨にのっとり」, 条例改正により, 公安委員会, 警視庁・道府県警察を対象機関とすることが強く求められている。
また, 近時の神奈川県警察や新潟県警察の不祥事を想起すると, 警察行政の透明性・公開性を高めることが必須であることは明らかであり, 公安委員会, 警視庁・道府県警察本部を情報公開の対象機関に含めることは急務となっている。
三重や山梨, 福島, 茨城, 神奈川, 愛知, 兵庫, 鳥取, 香川の各県が, 昨年以来それぞれ情報公開条例を改正して公安委員会を対象機関としたが, このことは, 公安委員会等を情報公開の対象機関とするよう求める声が以前にも増して強まっている今日では, 至極当然のことであり, 他の都道府県も情報公開条例を速やかに改正し, 公安委員会を情報公開の対象機関とすべきである。
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ただ, 三重県情報公開条例では, 公安委員会が不開示処分をしてもこれを県情報公開審査会に諮問することができず (同条例 21 条, 25 条), 山梨県, 神奈川県などの情報公開条例でも同じような手続しか定められていない。これは, 地方自治法上, 公安委員会には附属機関を設置することができず, また, 公安委員会が他の執行機関に置かれた附属機関に諮問することもできないとの解釈 (昭和 33 年 12 月 8 日新潟県総務部長あて自治省行政課長回答) を公安委員会が主張したためである。しかし, 公安委員会委員が他の公務員と比べて情報公開に精通しているとはおよそ考えられないから, この自治省行政課長回答は, それ自体が納得し得る根拠を欠くばかりでなく, 情報公開を定める法律や条例が制定されることを全く想定していなかった時期になされたものであり, 他機関の不服申立て事例の審査と均衡を欠くものである。
そればかりではなく, 情報公開法 18 条は, 同法 2 条が国家公安委員会と警察庁とを同法の対象機関としているのを前提として, 警察庁による情報不開示処分については情報公開審査会に諮問することとしているが, 国家公安委員会や警察庁による情報不開示処分に対して不服申立てがなされた場合には情報公開法 18 条により情報公開審査会に諮問されることと比べると, 都道府県公安委員会が情報の不開示処分をしてもこれを当該地方公共団体の情報公開審査会に諮問することができないという点においても, 著しく不均衡である。
すべての都道府県において, 公安委員会と警視庁・道府県警察本部を情報公開条例の対象機関とすることが時代のすう勢であることはいうまでもないが, 上述の自治省行政課長回答を口実にして情報不開示処分を情報公開審査会に対する諮問の対象から除外するというのでは, 公安委員会と警視庁・都道府県警察本部の透明性・公開性を実現することは困難であり, そのような条例改正では, 適切な改正とはいえない。
政府及び都道府県においては, この自治省行政課長回答が情報公開審査会への諮問を妨げるものでないことを確認するなどの方法により, 公安委員会による情報不開示処分についても情報公開審査会に諮問することを認めるような措置が採られるようにすべきである。
すべての都道府県において, 公安委員会と警視庁・道府県警察本部を情報公開条例の対象機関とすることが時代のすう勢であることはいうまでもないが, 上述の自治省行政課長回答を口実にして情報不開示処分を情報公開審査会に対する諮問の対象から除外するというのでは, 公安委員会と警視庁・都道府県警察本部の透明性・公開性を実現することは困難であり, そのような条例改正では, 適切な改正とはいえない。
政府及び都道府県においては, この自治省行政課長回答が情報公開審査会への諮問を妨げるものでないことを確認するなどの方法により, 公安委員会による情報不開示処分についても情報公開審査会に諮問することを認めるような措置が採られるようにすべきである。
以上