
1999.11.18
人権擁護推進審議会 御中
1999 年 11 月 18 日
社団法人 自由人権協会
10 月 21 日付け新聞報道によると、法務省は報道被害の救済措置として、行政処分による差し止め命令を検討しているとのことです。このような行政処分がいかなる法的根拠に基づくものを検討しているのか定かではありませんが、いかなるものであれ行政権による事前差し止めは検閲行為であり、憲法 21 条 2 項の検閲禁止規定に違反するものです。当協会は、行政機関による表現行為の事前抑制は絶対認められないものとして強く反対します。
人権擁護推進審議会では、報道被害の救済方法について検討がなされていると聞きますが、その場合、救済主体は政府から完全に独立したものであることが大前提であると考えます。当協会は貴審議会に対し、国内人権機関のあり方に関する国連のパリ原則で示されたような国内人権機関の救済対象に報道被害を含めるのか、業界の自主的な救済組織の活動に委ねるのかも含め、広範かつ慎重な討議を求めます。
なお、11 月 17 日付けの各紙報道によれば、法務省人権擁護局の担当者が、上記発言を撤回したとのことですが、当協会は今後ともこの問題を注視していく所存です。