jclu logo


『行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律』の抜本的改正を求める意見書

1999.10.18


高度情報通信社会推進本部
  個人情報保護検討部会 御中

1999 年 10 月 18 日

社団法人 自由人権協会
代表理事 内田剛弘
同   金城清子
同   江橋崇 
同   更田義彦
同   秋山幹男

現在、行政機関における個人情報の保護を目的とする法律としては、『行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律』(以下「個人情報保護法」) があります。しかし、同法は、次に指摘するとおり、国の個人情報保護制度としては極めて不十分なものと言え、早急に抜本的な改正を行い、個人情報の保護の徹底をはかるべきものと考えます。

まず、同法は、

  1. 対象機関が行政機関に限定され、特殊法人、国会、裁判所が対象になっていません。
  2. 電子計算機処理情報に限定され、マニュアル情報が対象になっていません。
  3. センシティブ情報の収集制限の規定がありません。
  4. 総務庁長官への個人情報ファイルの保有通知・公示、ファイル簿の作成・閲覧の除外範囲が広くあります。
  5. 個人情報ファイルに掲載されないものや、教育関係情報、医療情報が本人開示開示の請求の対象から除外されています。
  6. 情報主体の訂正の申出に権利性が認められていません。

本年 5 月に成立した情報公開法の審理の過程において、情報公開法の中に、本人開示の規定を設け、これにより自己情報の開示請求権を実質的に実現させようとの考え方が提起され、議論がなされました。ところが、これについては、最終的には、「本人開示の問題は、基本的には個人情報の保護に関する制度の中で解決すべき問題であるとともに、本人に開示すべき個人情報の範囲の在り方も、その中で専門的に検討すべき問題である」(行政改革委員会行政情報公開部会「情報公開法要綱案の考え方」1999 年 11 月 1 日) との考え方のもと、特に本人開示の規定は設けられず、国民が特定の情報の公開請求をした場合、当該本人の情報であるにもかかわらず、プライバシーを侵害するおそれのある個人情報であることを理由に開示がなされないことがありうる法律となってしまいました。かかる情報公開法の規定の在り方は、適正な自己情報開示請求権を規定する制度が整ってはじめて合理性を有するものであります。

また、「考え方」にも、「国民からは、医療、教育情報等を中心として本人開示を求める意見・要望が強いことを踏まえ、関係省庁において、個人情報の権利利益の保護の観点から、本人開示の問題について早急に専門的な検討を進め、その解決を図る必要がある」と明記されているように、行政機関が保有する個人情報の保護制度について抜本的に見直しを行うことが急務であることは、国民・政府の一致した考えであると考えております。

近時、いわゆる『盗聴法』の成立や『住民基本台帳法』の改正により、国民の間では、プライバシーや個人情報の保護という問題に関心が高まり、また、不安が増大しているところであります。貴部会におかれましても、以上のような経緯を理解された上、情報公開法の施行に遅れずに、個人情報保護法の抜本的見直しを検討されることを要望いたします。

以上


声明・意見書の一覧 | ホームページ | 入会のご案内

pan_jouhou/nyuukai.html">入会のご案内