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横浜市立大学入試結果公開請求訴訟に関する声明

1999.03.08


本日、横浜地方裁判所は、横浜市大入試結果公開請求訴訟において、原告の訴えを棄却する判決を言い渡しました。

この訴訟は、横浜市立大学に対する大学入試センター試験の得点並びに二次試験の得点・解答用紙の本人開示請求が横浜市公文書公開条例により非開示処分となったため、処分を不当とする原告の訴えを受けて自由人権協会として 1995 年に支援を決定し、会員弁護士を中心に弁護団を結成して非開示処分の取消しを求める訴訟を横浜市と国に提起していたものです。

判決は自己情報の「知る権利」を主張し、開示することによる具体的な支障はないとする原告の訴えを退け、本件条例は「憲法 21 条あるいは国際人権規約 B 規約 19 条の知る権利を保障したものとは解されない」とした上で、センター試験については、開示すると「大学入試センターとの信頼関係ないしは協力関係は損なわれ」るとし、二次試験については、「本人に開示しないことが正当と認められる」との判断を示しました。

このような判決は、憲法 21 条、市民的及び政治的権利に関する国際規約 19 条、子どもの権利に関する条約 31 条等が保障する「知る権利」と、憲法 13 条、市民的及び政治的権利に関する国際規約 17 条、子どもの権利に関する条約 16 条等が保障するプライバシー権に基づく「自己情報を知る権利」を侵害するものであると考えます。また、判決は、原告が求めた本件情報を本人に非開示とする合理的で明白な理由の提示に対し、十分な非開示とすべき具体的な支障の立証をしていない被告の主張を採用したもので、きわめて不当なものと考えます。

そもそも、受験生には自分の入学試験に関する情報を知る権利があり、これらの情報は原則として開示されるべきです。すでに二次試験の得点を本人開示している名古屋市立大学をはじめとする大学では、得点を開示したことによる具体的な支障は報告されておらず、このことはセンター試験の得点に対しても同様のことが言えます。現在、センター試験の得点が本人に知らされないことにより、受験生は自己採点というきわめてあいまいな情報をもとに受験校を選択せざるを得ず、これは進路を選択するという自己決定を侵害する大きな問題であります。この背景には、個人情報保護法からは教育情報が対象から除外されているなど自分の情報にアクセスする基本的な制度の不備があり、その結果として、自分の情報を知るという個人の生来的な権利が害されているのです。

当協会は、かねてより情報公開法とともに、政府の保有する個人情報をすべて対象とする個人情報保護法の制定を強く求めてきましたが、大学入試の受験生には上記のような「知る権利」及び「自己情報を知る権利」があることをふまえ、今後も引き続きこれらの基本的な人権を実現させるために、特定の電子計算機処理情報に対象を限定した現行の個人情報保護法の抜本的な改正を求めていくなど、さらなる取組みを続けることを表明します。

1999 年 3 月 8 日

社団法人 自由人権協会
代表理事 山田卓生
同   内田剛弘
同   金城清子


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