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ペルー事件テレビ朝日取材及び報道に関する声明

1997.02.24


社団法人 自由人権協会
代表理事 山田卓生
同   内田剛弘
同   金城清子

このたびのペルー事件は、取材・報道の自由に関し、いくつかの問題点を提起した。自由人権協会は、視聴者の知る権利を保障する立場から、これを阻害する以下の二点において強い憂慮を持ち、ここにその改善を期待し、以下のとおり見解を明らかにする。

  1. テレビ朝日は一切の取材経緯を明らかにすべきであり、保有するビデオテープの放映を差し控えるべきではない

    テレビ朝日系列ニューヨーク支局記者が、日本大使公邸内を取材し、すでに六週間が経過した。当初は放映の意向を示していたテレビ朝日は、記者が釈放されたのち見解を翻し、「人質の安全」を理由に放映を当面差し控える旨を公に明らかにしている。しかし、取材実行時に人命の安全が確保されていたことは記者本人ほか、他の報道機関によっても確認されていたことである。テレビ朝日が、もっぱら当局の圧力によって報道を差し控えているのであれば、それは報道機関の使命である報道の自由を自ら放棄したに等しいというべきである。

    ゲリラおよび人質との無線交信内容の秘匿を含め、少なくとも記者が身柄拘束されたのち、テレビ朝日は視聴者の知る権利及びこれに奉仕する報道機関の報道の自由の確保よりも、当局の意向を優先させる態度で取材・報道に臨んでいるようにみうけられる。私たちは、テレビ朝日がビデオテープ及び無線交信の内容を直ちに放映するか、もしくはそのインタビューの概要を発表すること、あるいは放映しない場合はテレビ朝日がペルーおよび日本政府との間でどのような〈約束〉をしたのかも含め、ただちにその経緯を明らかにすることを求めるものである。

  2. 郵政省ほか政府当局は報道の自由を尊重し、取材・報道への干渉を直ちに止めること

    郵政省は、その所轄官庁の立場を利用し、公邸内での取材や無線機を邸内においての今回の事件取材・報道に関し、たびたび民放及び NHK に対し、各種の要請を繰り返している。また同様の傾向は、官邸ほか政府全般に共通しており、例えば外務省は、テレビ朝日の公邸取材を批判し、現地において 1 週間にわたり取材拒否を行った。さらに、無線機の取扱にいたっては自民党がその是非を政治問題化する意向を示している。

    交渉の経緯や邸内の様子について、報道機関の正当な取材行為とそれに基づく報道に対し、政府当局が圧力をかける行為を繰り返すことは許されるべきでない。政府当局は報道機関の役割を十分に認識し、取材行為と報道内容をコントロールもしくは禁止するような行為を一切とらないことを強く求める。

以上


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