
1996.12.17
本日、最高裁から新しい民事訴訟規則が公布されたが、この新規則によって、最高裁の民事事件の判決期日が事前に当事者に通知されることになった。
これまでの最高裁の実務では、書面審理によって上告棄却判決が下される場合には、当事者に対し、判決期日を事前に通知していないため、ほとんどの事件において当事者不在の法廷で判決言渡しが行われていた。
このような抜き打ち判決とも言うべき方式に対しては、司法の国民不在の姿勢を象徴しているものとの批判が絶えなかったが、一向に改善されることなく今日に至っていた。
当協会は、昨年から、このような最高裁の実務は憲法 32 条 (裁判を受ける権利)、82 条 (裁判の公開)、31 条 (適正手続の保障) に照らして看過し得ず、また、民事訴訟法にも抵触するとの認識から問題提起を行ってきた。
今回の民事訴訟規則の改正によって、判決期日の通知義務が定められるに至ったことは、これまでの多くの批判、指摘を真摯に受け止めた結果であり、当協会は、今回の最高裁判所の決断を高く評価するものである。
一連の民事訴訟法及び民事訴訟規則の改正が「国民にわかりやすい民事裁判の実現」を目的の一つとしていたことを考えれば、今回の改正は当然の措置ともいえようが、当協会は、これを契機として、これまで市民にとって遠い存在であった最高裁判所が、より身近な存在に変わっていくことを心より期待するものである。
1996 年 12 月 17 日
社団法人 自由人権協会