(国および地方公共団体の義務)
第4条 国および地方公共団体は、ドメスティック・バイオレンスを防止し、その被害者を保護する義務を負う。
2 都道府県は売春防止法によって設置された婦人相談所の中にドメスティック・バイオレンス防止センター(以下「防止センター」)の機能を設ける。防止センターは、被害者および同伴家族の一時保護ならびに生活支援、被害者・加害者双方に対するカウンセリング、医療機関・福祉事務所・警察・弁護士等被害者の援助に必要な諸機関との連絡を行う。その他防止センターの設置・運営に関する事項は政令で定める。
3 前項の規定は都道府県が婦人相談所とは別に独自のドメスティック・バイオレンス被害者のための保護施設を設置することを妨げない。
4 国および都道府県は、ドメスティック・バイオレンス被害者の一時保護を行っている民間施設であって政令で定める一定の基準を満たしたものに対して、補助金を交付しなければならない。
5 都道府県は、24時間通話料無料で利用可能なドメスティック・バイオレンス緊急電話(ホットライン)を開設しなければならない。国はホットライン運営費用の2分の1を都道府県に対して補助する。
6 国および地方公共団体は、ドメスティック・バイオレンス被害者に対して適切な保護を行い、加害の再発防止に寄するよう、ドメスティック・バイオレンス被害に関する調査研究を推進し、被害者・加害者に関わる者(司法・医療・福祉・警察を含む)の資質の向上のために研修を実施する。これらの研修実施にあたって、国及び地方公共団体は、ドメスティック・バイオレンスの被害者保護を行う民間団体との連携に努める。
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1. 本条1項は、DVが家庭内の私事にとどまらず、社会構造上の問題であることを確認し、国及び地方公共団体は、DVを防止し、被害者を保護する責務があることを明らかにした。2項以下で国及び地方公共団体がDV防止のために行うべき具体的義務を定めた。
2. 国及び地方公共団体は、DV防止と被害者保護のための中心的役割を果たす施設として防止センターを設置する義務がある。婦人相談所は売春防止法に基づく保護施設であるが、現実には多くの婦人相談所が本来の役割の外、本条の防止センターが実施すべき業務を行ってきたことから、婦人相談所の中に防止センターの機能を設けることにした。これにより婦人相談所が蓄積したノウハウを活用できるだけでなく、新たに防止センターを建設する時間的、経済的不経済を省ける。
3. DV被害者がDVから逃れて一時保護を求めた時は、いつでも即時に利用できる保護施設が必要であるが、防止センター内の保護施設だけでは対応できないこと、及び防止センターのような公立の知られた場所ではなく「隠れ家」に逃げこみたいと被害者が望むことが予想される。そこで、都道府県は、防止センターとは別に独自のDV被害者の保護施設を設置できるとした。
4. 国および都道府県は一定の基準を満たした民間シェルターに対し補助金を交付する義務があることを明記した。公的シェルターだけではDV被害者を保護するのに十分ではない。補助金交付により、民間シェルターが増加することが期待される。
5. DV被害は時間を問わない。そこで都道府県は24時間ホットラインを開設する義務があること、国は運営資金の2分の1を補助することを規定した。
6. DV被害者を保護し、再発を防止するには、DVの被害者加害者に関わる者にDVは人権侵害であり、犯罪であると理解させることが必要である。そこで、国及び地方公共団体は、DV被害の調査研究を推進し、DV被害者加害者に関わる司法、医療、警察関係者に対して研修を実施すべきことを定めた。
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