「国会の保有する情報の公開に関する法律案」の解説

2001年10月1日
社団法人自由人権協会

  1. はじめに

     国会は国権の最高機関であり唯一の立法機関であり、国政が、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する、という人類普遍の原理に基づくことは論を待たない。このため、国会の情報を広く国民に開示し、国会の透明性を確保することは、国民主権の理念にのっとった必要不可欠の要素である。

     ところが、行政機関の情報公開法はすでに制定され、司法に関する情報公開についても、司法制度改革審議会において検討がなされているにもかかわらず、三権の中核をなす国会の情報公開については、未だ国政レベルの検討課題にいたっていない。長年、国の情報公開制度の立法運動に取り組んできた自由人権協会では、行政、司法に引き続き、国会に関する情報公開法案を、ここに策定する。

  2. 法案作成にあたっての方針

     本法案は、早期制定可能な法案を作成するという方針の下で策定した。したがって、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「情報公開法」)の条文で、国会の情報公開法に踏襲できるものは、なるべく同じ内容の規定を置いた。

  3. 対象機関、対象情報の特定

     対象機関は、衆議院・参議院・国立国会図書館・裁判官弾劾裁判所・裁判官訴追委員会、その他法律の規定に基づき国会に置かれる機関及び国会の所轄の下に置かれる機関である。

     対象情報は、国会活動にかかわるすべての情報である。(2条2)

     規定は、おおよそ情報公開法をふまえた法形式となったが、審議会に関する規定などは情報公開法の趣旨に最高機関としての国会の特殊性を考慮し、議員が委員になることを排除することで、審議会が政党の影響を受けず、自由に調査権を行使し、国民の福利に即した答申となることを期待した。(24条)

     また、国会は合議体であることを重視し会議の公開の推進(3条、4条)を規定した。

     なお、情報公開法の趣旨をそのまま流用できない規定については、文言を工夫して準用し、不服審査については、行政機関を対象とした行政不服審査法を適用することとした。

  4. 特に、情報公開訴訟手続に関する今後の課題について

     国権の最高機関である国会の開示決定等の取消しを求める訴訟等(以下「取消し訴訟等」)の手続に関しては、判断者の任用制度等から現行法の適用のみでは、実質的に原告の訴えに即した判断が容易に行われるとはいいがたい。そこで、今後の課題として早急に権力の公平な行使を補完するために、参審及び陪審制の法制化を検討したい。

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