社団法人自由人権協会

企業と人権


 多国籍企業の影響力は最近の世界的な経済発展、いわゆるグローバル化によって飛躍的に増大しています。これまで世界各国の経済社会情勢に責任を持つのは第1次的には国家、政府であると考えられてきましたが、今や巨大多国籍企業の実力は多くの国家、政府の力量を遙かに上回るものとなり、それに伴い貧困、人権、環境などの世界的諸課題に対しこれらの企業も責任を分担するべきだとの認識が広まりつつあります。これは、単なる法令遵守や恩恵的な社会貢献の範囲を超えて、企業にこれら世界的諸課題の解決への責任を負うことを求めようとする国際的な動きです。これを企業の社会的責任(CSR)と呼びます。
 JCLUは既に1990年から、人権コンサルティング小委員会を中心として企業と人権をテーマにした活動に取り組み、その成果を「ニッポン企業人権宣言」(ダイヤモンド社)として刊行し、さらに、新聞広告を対象として人権の観点から広告を審査する人権広告大賞を運営しました。このような活動は、日本における人権NGOとして初めてのCSRに関わる試みであったと評価されています。
 またJCLUは、女性差別撤廃条約の実施機関である女性差別撤廃委員会における日本政府報告書審査への参加、セクシュアル・ハラスメントの日米比較などにも取り組みました。
  • 企業と人権プロジェクト
 1999年、アナン国連事務総長の呼びかけを受けて翌2000年7月に国連グローバル・コンパクト(GC)が発足しました。GCは、世界各国の企業と国連との盟約(コンパクト)で、その内容は、参加企業に対して、人権、労働、環境、腐敗防止の4分野で世界的に確立された10原則を支持し、実践することを求めるものです。
JCLU企業と人権プロジェクトは、このGCの啓発・支援運動を模索し、実行していこうとの趣旨でGCプロジェクトとして始まりました。具体的活動としては、GC及び企業の社会的責任(CSR)についての勉強会の開催、日本のGC参加企業へのインタビュー、トーマツ・デトロイトのCSRコンサルにおける人権問題の扱われ方についてのインタビューなどからスタートし、日本企業の抱える問題点を把握、改善しようとしてきました。
その後、このプロジェクトはGCだけでなく活動対象を企業の社会的責任(CSR)の領域に広げ、OECD多国籍企業ガイドラインなど企業行動の規範化に関するGC以外の国際的動向にも関心を向け、企業と人権プロジェクトと改称して活動を発展させようとしています。


2006年11月18日
 企業と人権プロジェクトチーム(PT)が、CSRと人権に関する調査・研究の成果をまとめ、「企業活動と人権に関するガイドライン(PT案)」および「CSR報告書の人権関係項目(PT案)」として発表し、あわせて、トヨタ、日産など国産自動車メーカー各社のCSR報告書に対する評価を試みました。


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  • 出版物
 提言:CSRにおける人権
 2006年11月に発表したPT案を正式にJCLUとしてのガイドライン、評価項目としました。その内容は、「企業活動と人権に関するガイドライン」についてはPT案から変更はなく、「CSR報告書の人権関係評価項目」もPT案に若干の技術的な手直しを加えた以外に変更はありません。もちろん私たちは、これが完全なものだと考えているわけではなく、今後も関係者の皆さんとの検討を重ね、ご意見をいただきながら、より良いものにバージョンアップしていきたいと考えています。
 このガイドラインと評価項目が、日本企業と日本社会のCSRと人権に関する関心をより高めるものとなることを期待しています。

 企業活動と人権に関するガイドライン案・CSR報告書の人権関係評価項目案
 2004年から、企業と人権プロジェクトチーム(PT)を設置して、CSRと人権に関する調査・研究を開始し、国連グローバル・コンパクト参加企業やCSR報告書を発行している企業への聞き取り調査、国連東京事務所や外務省OECD室のインタビュー、ISOにおけるCSR規格(2600)議論の研究、労働団体や人権啓発企業団体などの関係者との交流などの、活動してきた成果をまとめたものです。

<目次>
「企業活動と人権に関するガイドライン(PT案)」
「CSR報告書の人権関係評価項目(PT案)」
「国産自動車メーカーのCSR報告書に対する評価の試み」
(評価項目一覧表付)
いすゞ自動車・スズキ・ダイハツ工業・トヨタ自動車
日産自動車・日野自動車・富士重工業・本田技研工業
マツダ・三菱自動車工業・三菱ふそうトラック、バス
(資料)「国連グローバル・コンパクト」
「OECD多国籍企業ガイドライン改訂版」
「人権に関する多国籍企業および他の企業の責任に関する規範についての注釈」(日本弁護士連合会仮訳)

 ニッポン企業人権宣言―国際派ビジネスパースンのための実例ガイド


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  • リンク
参考となるサイト
 国連広報センター
 OECD東京センター



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